【完全版】ChatGPTに「丸投げ」する技術 - 思い通りの回答を得る指示出しの9割

はじめに - 「思った回答が返ってこない」問題
「ChatGPT、思ったような回答が返ってこない…」
そう感じたこと、ありませんか?
- 質問したら、見当違いの答えが返ってきた
- ブログ記事を書いてと頼んだら、使えない文章が出てきた
- 何度やり直しても、イメージ通りにならない
実はこれ、ChatGPTの問題ではなく、 「指示の出し方」の問題 であることがほとんどです。
ChatGPTは「優秀だけど、指示がないと動けない部下」と同じ。
この記事では、ChatGPTに「丸投げ」しても期待通りの結果を得るための、指示出しのテクニックを解説します。
なぜ思った回答が返ってこないのか
典型的な失敗例
ダメな指示の例:
ブログ記事を書いて
この指示の問題点:
- 何について?
- 誰向け?
- どんなトーン?
- どのくらいの長さ?
情報が足りなすぎるのです。
ChatGPTの特性
ChatGPTは、足りない情報を推測で補う性質があります。
「ブログ記事を書いて」と言われたら:
- 一般的なブログ記事を想像する
- 読者層を勝手に設定する
- 長さも文体も適当に決める
結果、あなたの意図とズレた回答になります。
良い指示と悪い指示の違い
| 悪い指示 | 良い指示 |
|---|---|
| 情報が少ない | 必要な情報が揃っている |
| 抽象的 | 具体的 |
| 一方的 | 対話的 |
| 1回で完成を求める | 段階を踏む |

「丸投げ」のための5つの要素
良い指示には、この5つの要素が含まれています。
要素①:役割(Role)
ChatGPTに「何者として」回答してほしいかを指定します。
例:
- 「あなたはベテランのマーケターです」
- 「あなたはSEOの専門家です」
- 「あなたは中学生にもわかりやすく説明する先生です」
- 「あなたは辛口だけど的確なアドバイスをするコンサルタントです」
効果:
役割を与えると、その役割にふさわしい知識・視点・言葉遣いで回答してくれます。
要素②:背景(Context)
なぜこの依頼をしているのか、状況を説明します。
例:
- 「中小企業向けのホームページ制作サービスを提供しています」
- 「来週のプレゼンで使う資料を作っています」
- 「新規事業の企画書を書いています」
- 「顧客への提案メールを作成しています」
効果:
背景がわかると、適切な文脈で回答してくれます。
要素③:タスク(Task)
何をしてほしいか、具体的に指示します。
悪い例:
ブログ記事を書いて
良い例:
以下のテーマでブログ記事を書いてください:
- テーマ:ChatGPTの効果的な使い方
- 読者:AIに興味がある中小企業の経営者
- 目的:問い合わせにつなげる
効果:
具体的なタスクがあると、的を射た成果物が出てきます。
要素④:フォーマット(Format)
出力の形式を指定します。
例:
- 「見出し3つ、各300文字程度で」
- 「箇条書きで5点にまとめて」
- 「表形式で比較して」
- 「Markdown形式で」
- 「140文字以内のツイートにして」
効果:
フォーマットを指定すると、すぐ使える形で出力されます。
要素⑤:トーン(Tone)
文章の雰囲気を指定します。
例:
- 「親しみやすく、専門用語は避けて」
- 「フォーマルなビジネス文書として」
- 「カジュアルで友達に話すように」
- 「データに基づいた論理的な文体で」
効果:
トーンを指定すると、読者に合った文章になります。
実践例:Before → After
例1:議事録の要約
Before(ダメな例):
議事録を要約して
After(良い例):
あなたは優秀な秘書です。
以下の会議議事録を要約してください。
【出力形式】
① 決定事項
② 次のアクション(担当者と期限も)
③ 保留事項
各項目は箇条書きで、合計300文字以内にまとめてください。
【議事録】
(ここに議事録を貼り付け)
効果:
- 役割:「優秀な秘書」で適切な視点
- フォーマット:3点に分けて整理
- 制約:300文字以内で簡潔に
例2:メール作成
Before(ダメな例):
お詫びのメールを書いて
After(良い例):
あなたはビジネスマナーに詳しい秘書です。
以下の状況で、取引先へのお詫びメールを作成してください。
【状況】
・納期が3日遅れてしまった
・原因は部品の調達遅延
・今後は2週間前に在庫確認するルールにする
【トーン】
・丁寧だが卑屈になりすぎない
・誠意が伝わる
【長さ】
本文200〜300文字程度
効果:
- 背景:具体的な状況がわかる
- トーン:適切な丁寧さ
- フォーマット:長さの目安
例3:ブログ記事作成
Before(ダメな例):
SEOについてブログ記事を書いて
After(良い例):
あなたはSEOのプロフェッショナルです。
以下の条件でブログ記事を作成してください。
【テーマ】
中小企業のためのSEO入門
【読者】
・Web集客に興味がある中小企業の経営者
・技術的な知識はない
・予算は限られている
【目的】
・SEOの基本を理解してもらう
・無料相談への問い合わせにつなげる
【構成】
1. はじめに(SEOとは何か、なぜ重要か)
2. すぐできる対策3つ(具体的なアクション)
3. よくある間違い
4. まとめとCTA
【トーン】
・親しみやすく、専門用語は避ける
・具体例を交えて説明
・「〜しましょう」ではなく「〜です」調
【文字数】
2000〜3000文字
効果:
- 5つの要素がすべて揃っている
- そのまま使えるクオリティで出力

さらに精度を上げるテクニック
5つの要素に加えて、さらに精度を上げるテクニックを紹介します。
テクニック①:例を見せる(Few-shot prompting)
「こういう形式で」と具体例を添えると、精度が格段に上がります。
例:
以下の形式でキャッチコピーを5案作成してください。
【形式の例】
・「〇〇なのに、△△」(意外性)
・「□□を、たった3日で」(具体的な数字)
【お題】
AIを使った業務効率化サービス
テクニック②:NG例を伝える
やってほしくないことを明示すると、ミスが減ります。
例:
以下の点は避けてください:
・専門用語の多用
・「〜させていただきます」の連発
・箇条書きだけで説明を省くこと
テクニック③:段階的に依頼する
1回で完成を求めず、ステップを踏みます。
手順:
Step 1: 「まず構成案を出して」
↓
確認・フィードバック
↓
Step 2: 「それをベースに本文を書いて」
↓
確認・フィードバック
↓
Step 3: 「この部分をもう少し詳しく」
効果:
- 途中で軌道修正できる
- 最終的なクオリティが上がる
- 大きなやり直しを避けられる
テクニック④:ペルソナを詳細に設定
読者像を具体的にすると、刺さる文章になります。
例:
【読者ペルソナ】
・田中さん、45歳男性
・従業員10名の製造業の社長
・ITは苦手だが、DXに興味がある
・時間がなく、要点だけ知りたい
・予算は年間100万円まで
テクニック⑤:チェーン・オブ・ソート(思考の連鎖)
複雑な問題は、考え方の手順を示します。
例:
以下の手順で分析してください:
1. まず、現状の問題点を3つ挙げてください
2. 次に、各問題点の原因を考えてください
3. 最後に、優先度の高い順に解決策を提案してください
効果:
- 論理的な回答が得られる
- 抜け漏れが減る
業務別プロンプトテンプレート
すぐに使えるテンプレートを紹介します。
テンプレート1:メール作成
あなたは[役職/役割]です。
以下の内容で[相手]へのメールを作成してください。
【目的】
[このメールで達成したいこと]
【状況】
[背景情報]
【伝えたいこと】
・[ポイント1]
・[ポイント2]
・[ポイント3]
【トーン】
[フォーマル/カジュアル/丁寧など]
【長さ】
[〇〇文字程度]
テンプレート2:企画書作成
あなたは経験豊富なコンサルタントです。
以下の新規事業について企画書の骨子を作成してください。
【事業概要】
[事業の概要]
【ターゲット】
[想定顧客]
【解決する課題】
[顧客の課題]
【出力項目】
1. エグゼクティブサマリー
2. 市場分析
3. 競合分析
4. 収益モデル
5. 実行計画
6. リスクと対策
【注意点】
・数値的な根拠を示す
・実現可能性を重視
テンプレート3:議事録作成
以下の会議メモから議事録を作成してください。
【出力形式】
■ 会議名:
■ 日時:
■ 参加者:
■ 議題:
【決定事項】
(箇条書き)
【アクションアイテム】
| 担当 | 内容 | 期限 |
|------|------|------|
【次回予定】
【会議メモ】
(ここにメモを貼り付け)
テンプレート4:SNS投稿
以下の内容でSNS投稿を作成してください。
【プラットフォーム】
[Twitter/LinkedIn/Instagram など]
【目的】
[認知拡大/エンゲージメント/誘導 など]
【伝えたいこと】
[メインメッセージ]
【制約】
・文字数:[〇〇文字以内]
・ハッシュタグ:[〇個まで]
・絵文字:[使う/使わない]
【トーン】
[カジュアル/ビジネス/親しみやすい など]
【CTA(行動喚起)】
[リンククリック/いいね/コメント など]
ChatGPT活用の心構え
1. ChatGPTは「下書き製造機」
ChatGPTの出力は、そのまま使うものではありません。
正しい使い方:
ChatGPT → 下書き生成
↓
あなた → 確認・修正・ブラッシュアップ
↓
完成版
下書きを作る時間を90%削減できるのが、ChatGPTの価値です。
2. フィードバックでどんどん改善
1回で完璧な回答は期待しない。対話で改善します。
例:
「もう少しカジュアルにして」
「具体例を3つ追加して」
「この部分を短くして」
「別の切り口で5案出して」
3. 自分の専門知識と組み合わせる
ChatGPTは「汎用的な知識」を持っていますが、あなたの業界特有の知識はありません。
ベストな使い方:
- ChatGPT:文章構成、言い回し、一般的な情報
- あなた:専門知識、具体的な事例、独自の視点
両方を組み合わせて、価値あるコンテンツを作る。
よくある失敗と対処法
失敗1:回答が長すぎる
原因: 文字数を指定していない
対処: 「300文字以内で」「3点に絞って」と制約を加える
失敗2:専門用語が多すぎる
原因: 読者レベルを指定していない
対処: 「中学生にもわかるように」「専門用語は使わずに」と指示
失敗3:同じような回答ばかり
原因: バリエーションを求めていない
対処: 「5つの異なる切り口で」「真逆のアプローチも含めて」と指示
失敗4:事実と異なる内容(ハルシネーション)
原因: ChatGPTは事実確認が苦手
対処: 重要な数字や事実は必ず自分で確認する。「出典があれば示してください」と依頼する
まとめ
ChatGPTは「優秀だけど、指示がないと動けない部下」と同じです。
指示の出し方が9割。
5つの要素を押さえれば、期待通りの回答が返ってきます:
- 役割(Role):何者として回答するか
- 背景(Context):なぜこの依頼をしているか
- タスク(Task):何をしてほしいか
- フォーマット(Format):どんな形式で出力するか
- トーン(Tone):どんな雰囲気で書くか
さらに精度を上げるテクニック:
- 例を見せる
- NG例を伝える
- 段階的に依頼する
- ペルソナを詳細に設定
- 思考の手順を示す
ここを押さえれば、あなたの仕事は劇的に効率化します。
次のステップ
QUESTでは、AI活用による業務効率化の相談を受け付けています。
- 「ChatGPTをもっと活用したい」
- 「社内でAI活用を広めたい」
- 「業務に合わせたプロンプトを作りたい」
まずは無料相談から。
著者プロフィール
てんちょー(合同会社QUEST 代表)
普段はSIerで経営企画部員として働きながら、週末起業で高校時代の友人と共同創業。ChatGPTやClaude Codeを業務に活用し、非エンジニアながら複数のプロダクトを立ち上げた経験を持つ。
