【実践ガイド】非エンジニア経営者のためのAI事業開発 - アイデアを形にする完全マニュアル

はじめに - なぜ今、この記事を書くのか
「こういうサービスがあったら便利なのに」「この業務、もっと効率化できるはずなのに」——経営者の方なら、こんなアイデアを日常的に思いついているのではないでしょうか。
でも、いざ形にしようとすると…
- 開発会社に見積もりを取ったら数百万円と言われた
- エンジニアを採用する余裕がない
- 本業が忙しくて手が回らない
- そもそも何から始めればいいかわからない
結局、アイデアはアイデアのまま。そんな状況に心当たりはありませんか?
私自身、SIerで経営企画部員として働きながら、週末起業で法人を経営しています。本業を持ちながら新規事業を立ち上げる難しさは、誰よりも理解しているつもりです。
しかし今、状況は大きく変わりつつあります。
2024年から2025年にかけて、Claude CodeやGitHub Copilotといった開発支援AIが急速に進化し、「形にする」ハードルが劇的に下がっています。この記事では、私が実際にAIを活用して複数のプロダクトを開発した経験をもとに、非エンジニア経営者がアイデアを形にするための完全マニュアルを提供します。
この記事で得られること
- アイデアが形にならない「本当の理由」
- AI時代に変わった「事業開発の常識」
- Claude Codeを使った具体的な開発フロー
- 実際のプロジェクト構成と技術スタック
- コスト計算の詳細と予算の立て方
- 失敗しないためのチェックポイント
第1章: なぜアイデアは形にならないのか

多くの経営者が「アイデアを形にできない」と悩む背景には、3つの壁があります。
コストの壁
開発会社に依頼すると、簡単なWebアプリでも100万円〜300万円が相場です。
| 工程 | 費用 | 期間 |
|---|---|---|
| 要件定義・設計 | 30〜50万円 | 2〜4週間 |
| フロントエンド開発 | 50〜100万円 | デザイン含む |
| バックエンド開発 | 50〜100万円 | API・DB構築 |
| テスト・デバッグ | 20〜50万円 | 品質保証 |
| 合計 | 150〜300万円 | 2〜3ヶ月 |
「ちょっと試してみたい」レベルのアイデアに、これだけ投資できる中小企業は少ないでしょう。
さらに「隠れコスト」も発生します。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 仕様変更費用 | 「思っていたのと違う」で追加100万円 |
| 保守費用 | 月額5〜10万円 |
| サーバー費用 | 月額1〜5万円 |
初期費用200万円のつもりが、1年後には400万円になっていた……というケースは珍しくありません。
時間の壁
本業を回しながら、新規事業の企画・開発・検証をする時間はどこにあるのでしょうか。
開発会社に依頼した場合の典型的なスケジュール:
| 週 | 作業内容 | 経営者の稼働 |
|---|---|---|
| 週1 | 要件定義ミーティング | 2時間 |
| 週2 | 画面設計レビュー | 2時間 |
| 週3-6 | 開発期間 | 進捗確認のみ |
| 週7 | テスト・修正依頼 | 3時間 |
| 週8 | 再テスト・リリース | 2時間 |
| 合計 | 2ヶ月 | 約10時間 |
これでも「お任せ」で進められるなら良いのですが、実際には以下の問題が発生します。
- 仕様の認識違いで手戻り
- 「この機能も欲しい」の追加対応
- 思った通りのUIにならない調整
結果、想定の2〜3倍の時間がかかるケースが大半です。
技術の壁
「プログラミングができない」「ITに詳しくない」——これが最大の心理的ハードルになっている方も多いはずです。
開発会社に依頼する場合でも、最低限の技術知識がないと…
- 見積もりの妥当性が判断できない
- 提案された技術が適切か分からない
- トラブル時に原因が理解できない
結果として、開発会社の言いなりになりやすいという状況に陥ります。
第2章: AI時代に変わった「事業開発の常識」

Claude CodeやGitHub Copilotといった開発支援AIの登場で、状況は一変しました。
変化1: 開発コストが1/10以下に
従来の開発費用構造
| 項目 | 割合 | 備考 |
|---|---|---|
| 人件費 | 80% | エンジニア月額80〜150万円 |
| インフラ | 10% | |
| その他 | 10% |
AI活用後の開発費用構造
| 項目 | 割合 | 費用 |
|---|---|---|
| AI利用料 | 60% | Claude Code月額$200≒約3万円 |
| インフラ | 30% | 無料枠活用で実質数千円 |
| その他 | 10% |
人件費が最大のコスト要因だったものが、AIが代替することで劇的に削減されます。
実際の比較
| 項目 | 従来 | AI活用 | 削減率 |
|---|---|---|---|
| 開発費用 | 200〜300万円 | 10〜20万円 | 93〜95% |
| 開発期間 | 2〜3ヶ月 | 2〜4週間 | 75〜83% |
| 保守費用 | 月額5〜10万円 | 月額数千円 | 90%以上 |
変化2: 開発期間が1/5以下に
AIがコードを生成するため、「書く」時間が大幅に短縮されます。
従来の開発サイクル
| 工程 | 期間 |
|---|---|
| 要件定義 | 1週間 |
| 設計 | 1週間 |
| 実装 | 4週間 |
| テスト | 2週間 |
| 修正 | 2週間 |
| 合計 | 10週間 |
AI活用の開発サイクル
| 工程 | 期間 |
|---|---|
| 要件をAIに伝える | 1日 |
| AIがコード生成 | 数時間 |
| 動作確認・修正指示 | 1日 |
| 繰り返し | 1〜2週間 |
| 合計 | 2〜3週間 |
「まずは作ってみて、市場の反応を見る」というアプローチが現実的になりました。
変化3: 非エンジニアでも開発の指揮が取れる
Claude Codeの最大の特徴は、日本語で指示を出せることです。
| 従来 | AI活用 |
|---|---|
| プログラミング言語を習得 | 日本語で「〜を作って」と伝えるだけ |
| コードを書く | AIがコード生成 |
| デバッグ | 動作確認するだけ |
プログラミング言語を知らなくても、「何を作りたいか」を言語化できれば開発が進みます。
第3章: Claude Codeとは何か
Claude Codeの概要
Claude Codeは、Anthropic社が提供するAI開発支援ツールです。
主な特徴:
- 自然言語での指示: 日本語で「〜を作って」と伝えればコードを生成
- コンテキスト理解: プロジェクト全体を理解した上で提案
- ファイル操作: ファイルの読み書き、編集を自動実行
- コマンド実行: npm install、git commitなどを自動実行
- エラー修正: エラーが出たら自動で原因分析・修正
料金体系(2025年12月時点)
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| Claude Code Pro | 月額$200(約3万円) | 無制限のコード生成、優先的なAPI利用、大規模プロジェクト対応 |
| Claude API(従量課金) | 入力$3/100万トークン、出力$15/100万トークン | 1万字の記事生成で約$0.05(約7円) |
注意: 料金は変動する可能性があります。最新情報はAnthropic公式サイトをご確認ください。
第4章: 実際の開発フロー

私たちが実際に行っている開発フローを紹介します。
Step 1: アイデア壁打ち(1〜2日)
まずは、アイデアを言語化します。Claudeに以下のように依頼します。
以下のビジネスアイデアについて、壁打ち相手になってください。
アイデア: 中小企業向けの問い合わせ管理システム
背景:
- 現在はExcelで管理しているが限界がある
- Salesforceは高すぎる
- 自社専用のシンプルなものが欲しい
質問:
1. このアイデアの強み・弱みは?
2. 最小限の機能(MVP)は何か?
3. 技術的な実現可能性は?
Claudeは強み・弱みの分析、MVP提案、技術スタック案を返してくれます。
Step 2: MVP設計(2〜3日)
壁打ちの結果をもとに、具体的な設計を依頼します。
| 依頼内容 | Claudeの出力 |
|---|---|
| 機能要件 | 画面設計、データベース設計 |
| 非機能要件 | スマホ対応、ダークモード、レスポンス1秒以内など |
| ブランドカラー | カラーパレット提案 |
Step 3: AI開発(1〜2週間)
設計をもとに、Claudeに実装を依頼します。
技術スタック指定例:
- Next.js 14、TypeScript、Tailwind CSS、shadcn/ui、Supabase
- 各ステップ完了後に動作確認してから次へ進む
重要なポイント:
| ポイント | 説明 |
|---|---|
| 一度に全部作らない | 小さな単位で依頼→確認→次へ |
| 動作確認を挟む | 「まず動かしてから」が鉄則 |
| エラーはそのまま伝える | Claudeがエラーログを解析して修正 |
Step 4: 市場投入(1〜2日)
MVPが完成したら、すぐに市場投入します。
vercel --prod # デプロイ
vercel env add # 環境変数設定
注意: Vercel Hobbyプランは非商用限定です。商用利用の場合はProプラン(月額$20)が必要です。
第5章: 実際の事例 - Press Starter
私たちが開発した「Press Starter」を例に、具体的な開発の流れを紹介します。
Press Starterの機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 記事自動生成 | Claude 4.5 Sonnetによる高品質な記事 |
| 自動投稿 | WordPress/note/PR Timesへワンクリック |
| サムネイル生成 | DALL-Eによる自動生成 |
| 予約投稿 | スケジューラーで時間指定 |
| 独自性付与 | 自社情報DBで差別化 |
開発コスト内訳
初期開発(約1ヶ月)
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Claude Code利用料 | 約4万円 | 1ヶ月の開発期間 |
| Claude API利用料 | 約5万円 | テスト含む |
| ドメイン・SSL | 約5千円 | 年間 |
| その他ツール | 約5万円 | 開発補助 |
| 合計 | 約15万円 |
月額ランニングコスト
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Vercel | 無料〜$20 | Hobbyプランは非商用限定 |
| Supabase | 無料 | Free Tier内 |
| Claude API | 従量課金 | 記事数による |
| 月30記事生成時 | 約1〜2万円 |
開発会社に依頼した場合との比較
| 項目 | 開発会社 | AI活用(自社) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 300〜500万円 | 約15万円 |
| 開発期間 | 3〜6ヶ月 | 約1ヶ月 |
| 月額費用 | 5〜10万円 | 1〜2万円 |
| カスタマイズ | 追加費用 | 自由 |
第6章: 実際の事例 - QUESTBook(自社CRM)
QUESTBookの機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 顧客管理 | 会社・担当者情報 |
| 案件管理 | パイプライン表示 |
| 見積書生成 | PDF自動生成 |
| 請求管理 | 入金追跡 |
| 通知連携 | Slack通知 |
なぜ自社開発を選んだか
| 既存ツール | 課題 |
|---|---|
| Salesforce | 高すぎて過剰機能 |
| HubSpot | 日本語サポートが弱い |
| Zoho CRM | UIが複雑 |
「自社に必要な機能だけ」を低コストで実現するために自社開発を選択しました。
開発期間・コスト
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 開発期間 | 約2週間(MVP) |
| 初期費用 | 約10万円 |
| 月額費用 | ほぼ0円(無料枠内) |
SaaS利用との比較(年間コスト)
| 年 | SaaS利用(月額3万円) | 自社開発 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 36万円 | 10万円 | 26万円 |
| 2年目 | 72万円 | 10万円 | 62万円 |
| 3年目 | 108万円 | 10万円 | 98万円 |
| 5年目 | 180万円 | 10万円 | 170万円 |
第7章: 失敗しないためのチェックポイント

AI活用での開発を成功させるためのポイントを紹介します。
NG1: セキュリティを軽視する
AIが書いたコードをそのまま使うと、セキュリティホールが残っていることがあります。
チェック項目:
- 認証チェックが実装されているか
- 他人のデータにアクセスできないか
- Supabase RLSでユーザーは自分のデータのみアクセス可能か
NG2: 最初から完璧を目指す
機能を盛り込みすぎると、開発期間もコストも膨らみます。
| アプローチ | 結果 |
|---|---|
| 「全機能必要」 | 開発6ヶ月、費用500万円超、市場変化で陳腐化 |
| MVP思考 | 開発2週間、費用10万円、すぐに市場投入 |
NG3: 一人で抱え込む
AIを使えば一人でも開発できますが、以下の判断は難しいものです。
- このコードで本当に大丈夫か?
- セキュリティ的に問題ないか?
- スケールしたときに耐えられるか?
解決策:
- AIにセキュリティ上の問題がないか聞く
- エンジニアの知人やメンターに相談
- コードレビューサービスや脆弱性診断サービスを活用
第8章: 自分でやるか、任せるか
ここまで読んで、「自分でもできそう」と思った方もいるかもしれません。
選択肢の比較
| 項目 | 自分でやる | 任せる |
|---|---|---|
| メリット | コスト最小、技術習得、自由にカスタマイズ | 時間節約、経験者のノウハウ、品質担保 |
| デメリット | 学習時間必要、試行錯誤、不安 | 費用がかかる、依存関係 |
| 向いている人 | 時間に余裕あり、技術に興味あり | 本業が忙しい、早く結果を出したい |
私たちのサービス
合同会社QUESTでは、「アイデアはあるけど、自分でやる時間がない」という方のために、事業開発支援サービスを提供しています。
| サービス | 費用 |
|---|---|
| アイデア壁打ち | 初回無料 |
| MVP設計 | 10〜30万円 |
| MVP開発 | 30〜100万円 |
| 運用サポート | 月額5〜15万円 |
特徴:
- AI活用で低コスト・短期間
- 非エンジニアでも理解できる説明
- 自社開発の実績あり
まとめ
アイデアが形にならない「3つの壁」は崩れつつある
| 壁 | 従来 | AI時代 | 削減率 |
|---|---|---|---|
| コストの壁 | 300万円 | 10万円 | 97% |
| 時間の壁 | 3ヶ月 | 2週間 | 83% |
| 技術の壁 | プログラミング必須 | 日本語で指示するだけ | - |
Claude Codeを使えば非エンジニアでも開発できる
- 日本語で「〜を作って」と伝えるだけ
- エラーが出てもAIが修正してくれる
- 小さく始めて徐々に拡大できる
ただし注意点もある
- セキュリティは必ずチェック
- 最初から完璧を目指さない
- 壁打ち相手・レビュアーは必要
自分でやるか任せるかは「時間」との相談
- 時間があるなら自分で挑戦
- 時間がないならプロに任せる
- どちらもAI活用でコスト削減可能
次のステップ
この記事を読んで「やってみたい」と思った方へ。
自分でやる場合:
- Claude Codeのアカウントを作成
- 小さなプロジェクトで練習
- 本番プロジェクトに挑戦
任せたい場合:
- アイデアを言語化
- 壁打ち相談(無料)を申し込み
- 見積もりを確認
参考リンク
著者情報
てんちょー(合同会社QUEST 代表)
普段はSIerで経営企画部員として働きながら、週末起業で高校時代の友人と共同創業。「何をやるかも大事だけど、誰とやるか(生きるか)を起点に」多岐にわたるビジネスを展開しています。
- 🌐 コーポレートサイト: https://llc-quest.com
- 🐦 Twitter (X): @questceo_ai
- 📝 note: questceo_ai
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