【完全解説】Claude Codeリリース監視システムの構築 - GitHub Actions × Claude API × Slack連携
はじめに
「あれ、Claude Codeでこんな機能いつの間に追加されてたの?」
Claude Codeを日常的に使っていると、こんな経験をしたことはありませんか?私は何度もあります。GitHubのリリースページを毎日チェックするのは現実的ではありませんし、RSSリーダーを設定しても結局見なくなってしまう。重要な機能追加を見逃してしまい、後から「もっと早く知っていれば...」と悔やむことも。
この課題を解決するために、GitHub Actions × Claude Haiku API × Slack Webhook を組み合わせた自動監視システムを構築しました。

このシステムを作った背景
きっかけ:Tool Search Toolの存在を知ったとき
2026年1月、Xで興味深い情報を目にしました。Anthropic APIに 「Tool Search Tool」 というベータ機能が追加され、MCPのトークン消費を 最大85%削減 できるというのです。
私の環境では5つのMCPサーバーで58のツールを使用しており、毎回約55,000トークンをツール定義だけで消費していました。これが85%削減されれば、API費用の大幅な削減が期待できます。
しかし、この情報を知ったのは偶然Xを見ていたからでした。もしこの投稿を見逃していたら? そう考えたとき、「リリース情報を能動的にキャッチする仕組みが必要だ」と強く感じました。
なぜSlack通知なのか
リリース監視の方法はいくつか考えられます。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| GitHubのWatch機能 | 設定が簡単 | メール通知は埋もれがち |
| RSSリーダー | 一元管理できる | 結局見なくなる |
| 手動チェック | 確実 | 継続できない |
| Slack通知 | 業務中に自然と目に入る | 構築が必要 |
私たちのチームでは業務連絡にSlackを使っています。Slackなら通知を見逃すことはほぼありません。「情報を取りに行く」のではなく「情報が来る」 仕組みにすることで、継続的にキャッチアップできると考えました。
英語リリースノートの壁
もう一つの課題は、リリースノートが英語で書かれていることでした。技術英語は読めますが、長いリリースノートを毎回読み込むのは負担です。
「重要なポイントだけ日本語で教えてくれたら...」
この発想から、Claude Haiku APIによる自動要約を組み込むことにしました。Haikuは低コスト(約0.1円/回)で、技術文書の要約も得意です。
システム設計
なぜGitHub Actionsを選んだのか
定期実行の基盤はいくつかの選択肢がありました。それぞれのメリット・デメリットを比較検討した結果、GitHub Actionsを採用しました。
| 選択肢 | 月額コスト | 運用負荷 | 採用理由 |
|---|---|---|---|
| AWS Lambda + EventBridge | 無料〜数円 | 中(IAM設定等) | - |
| Google Cloud Functions | 無料〜数円 | 中 | - |
| Vercel Cron Jobs | 無料(Hobby) | 低 | - |
| GitHub Actions | 無料 | 最低 | 採用 |
GitHub Actionsを選んだ理由は3つあります。
- 完全無料: 月2,000分の無料枠があり、週1回・1分程度の実行なら余裕
- GitHubとの親和性: リリース情報を取得するAPIと同じプラットフォーム
- 状態管理が簡単: バージョン記録をリポジトリ内のファイルで管理できる
なぜPythonを選んだのか
最初はシェルスクリプトで実装を試みましたが、Slack Block KitのJSONを組み立てる際にエスケープ問題が多発しました。Pythonに書き換えたところ、一発で動作するようになりました。
なぜClaude Haikuなのか
要約に使うLLMも検討しました。
| モデル | 入力 | 出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Claude 3.5 Haiku | $0.80/100万トークン | $4.00/100万トークン | 高速・低コスト |
| Claude 3.5 Sonnet | $3.00/100万トークン | $15.00/100万トークン | 高品質 |
| GPT-4o-mini | $0.15/100万トークン | $0.60/100万トークン | 最安 |
GPT-4o-miniの方が安価ですが、Anthropicの製品を監視するのにOpenAIを使うのは何となく気が引けました(笑)。週1回の実行で月額約0.4円なら、品質を優先してHaikuを選ぶ価値があります。
タイムゾーンの罠:cron設定で最もハマるポイント
GitHub Actionsのcronスケジュールは**UTC(協定世界時)**で指定します。これを知らずに設定すると、想定外の時間に実行されてしまいます。
日本時間とUTCの変換
日本時間(JST)はUTC+9時間です。つまり、日本時間から9時間を引くとUTCになります。
| 日本時間(JST) | UTC | cron表記 |
|---|---|---|
| 土曜 10:00 | 土曜 01:00 | 0 1 * * 6 |
| 毎日 9:00 | 前日 00:00 | 0 0 * * * |
| 毎日 18:00 | 当日 09:00 | 0 9 * * * |
| 月曜 7:30 | 日曜 22:30 | 30 22 * * 0 |
よくある間違い
# ❌ 間違い:日本時間のつもりで10を指定
on:
schedule:
- cron: '0 10 *
* 6' # 実際は日本時間19:00に実行される
# ✅ 正解:UTCで1を指定(日本時間10:00)
on:
schedule:
- cron: '0 1 *
* 6' # 日本時間 土曜10:00
デバッグのコツ
cronの設定が正しいか確認するには、workflow_dispatchを追加して手動実行できるようにしておくと便利です。
on:
schedule:
- cron: '0 1 *
* 6'
workflow_dispatch: # 手動実行も可能に
これにより、GitHubのActionsタブから「Run workflow」ボタンで即座にテスト実行できます。
コスト試算
「自動化システムを作っても、ランニングコストが高ければ意味がない」
そう考える方も多いでしょう。このシステムの運用コストを詳細に計算しました。結論から言うと、月額約1円で運用できます。

| 項目 | 単価 | 月間使用量 | 月額コスト |
|---|---|---|---|
| GitHub Actions | 無料(2,000分/月) | 約4分 | 0円 |
| Claude Haiku API | 約0.1円/回 | 最大4回 | 約0.4円 |
| Slack Webhook | 無料 | 4回 | 0円 |
| 合計 | - | - | 約1円 |
コスト計算の内訳
GitHub Actionsは公開リポジトリなら無料枠が2,000分/月。週1回・約1分の実行なので、月4分程度。無料枠の0.2%しか使いません。
Claude Haiku APIはリリースノート1件あたり約1,000トークン。入力$0.80/100万トークン、出力$4.00/100万トークンで計算すると、1回あたり約0.1円。週1回実行で月約0.4円。
Slack Webhookは完全無料。メッセージ数に制限はありません。
実装詳細
ここからは実際のコードを見ていきます。全体で約100行程度のシンプルな実装ですが、いくつかのポイントがあります。
GitHub Actionsワークフロー
まず、定期実行の設定とPython環境のセットアップです。
name: Check Claude Code Releases
on:
schedule:
- cron: '0 1 *
* 6' # 土曜10:00 JST
workflow_dispatch:
permissions:
contents: write
jobs:
check-release:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- uses: actions/setup-python@v5
with:
python-version: '3.11'
- run: pip install requests
- name: Check and notify
env:
ANTHROPIC_API_KEY: ${{ secrets.ANTHROPIC_API_KEY }}
SLACK_WEBHOOK_URL: ${{ secrets.SLACK_WEBHOOK_URL }}
run: python << 'PYEOF'
# メイン処理
PYEOF
ポイント: permissions: contents: writeを忘れると、バージョンファイルの更新がコミットできません。
Slack通知の実装
Slack Block Kitを使って、見やすいフォーマットで通知を送信します。

def send_release_notification(webhook_url, tag, published, url, summary_ja):
slack_message = {
"blocks": [
{"type": "header", "text": {"type": "plain_text", "text": f"🚀 Claude Code {tag} がリリース!"}},
{"type": "section", "text": {"type": "mrkdwn", "text": f"*リリース日時:* {published}"}},
{"type": "divider"},
{"type": "section", "text": {"type": "mrkdwn", "text": summary_ja[:2900]}}
]
}
requests.post(webhook_url, json=slack_message)
ポイント: Slackのtextフィールドは3,000文字制限があるため、[:2900]で切り詰めています。
開発中にハマったポイント
1. シェルスクリプトのJSON問題
症状: $SUMMARYに改行や特殊文字("、\など)が含まれると、JSONが壊れてSlackに送信できない。
解決策: Pythonに書き換え。Pythonならjson.dumps()で自動エスケープされる。
2. バージョンファイルがコミットされない
症状: 新しいバージョンを検知しても、last_version.txtの更新がリポジトリに反映されない。
原因: permissionsの設定漏れ。
解決策: ワークフローファイルにcontents: writeを追加。
permissions:
contents: write
3. 初回実行時の挙動
症状: 初回実行時に過去のリリースがすべて通知されてしまう。
解決策: 初期値として最新バージョンをlast_version.txtに設定しておく。
この記事のまとめ
構築したシステム
この記事では、GitHub Actions × Claude Haiku × Slack Webhookを組み合わせた、Claude Codeリリース監視システムの構築方法を解説しました。
「情報を取りに行く」のではなく「情報が来る」仕組みを作ることで、重要なアップデートを見逃すリスクを大幅に減らせます。しかも月額約1円という低コストで、メンテナンスもほぼ不要です。
┌─────────────────┐ ┌─────────────────┐ ┌─────────────────┐
│ GitHub Actions │───▶│ Claude Haiku │───▶│ Slack │
│ (毎週土曜) │ │ (日本語要約) │ │ (通知受信) │
└─────────────────┘ └─────────────────┘ └─────────────────┘
この記事で学べたこと
技術的なポイントを振り返ります。特にcronのタイムゾーン問題は、多くの人がハマるポイントなので、ぜひ覚えておいてください。
| トピック | 内容 |
|---|---|
| GitHub Actions cron | 定期実行の設定方法(UTC基準に注意) |
| タイムゾーン変換 | JST→UTCの計算方法と実例 |
| Claude Haiku API | 低コストで日本語要約を生成する方法 |
| Slack Block Kit | リッチなメッセージ形式の実装 |
| コスト最適化 | 月額1円で運用する設計 |
導入効果
実際に導入してみて、情報収集のストレスが大幅に減りました。以前は「何か見逃してるんじゃないか」という不安がありましたが、今は毎週土曜日にSlackを確認するだけ。新機能があれば日本語で要点がまとまっているので、すぐに理解できます。
| 指標 | Before | After |
|---|---|---|
| リリース情報の取得 | 偶然知る(見逃しあり) | 毎週Slackで自動通知 |
| 英語リリースノート | 毎回読む負担 | 日本語要約で即理解 |
| 運用コスト | - | 月額約1円 |
応用例
この仕組みは他のGitHubリポジトリにも応用できます。監視対象のリポジトリURLを変えるだけで、同じ仕組みが使えます。
- Next.jsのリリース監視 → フレームワークのアップデートを見逃さない
- TypeScriptのバージョンアップ通知 → 型システムの新機能をキャッチ
- 社内ライブラリの更新通知 → チーム内の変更を共有
- 競合サービスのリリース監視 → 市場動向をウォッチ
「◯◯も監視したい」とClaude Codeに伝えれば、同じ構成で拡張できます。一度仕組みを作ってしまえば、横展開は簡単です。
合同会社QUESTのサービス紹介
「自動化したいけど、自分で作る時間がない」
そんな方のために、私たちはAI活用・業務自動化のコンサルティングを提供しています。
今回紹介したような監視システムの構築から、日々の業務を効率化するツールの開発まで、お客様の課題に合わせたソリューションを提案します。
私たちができること
- 業務フローの自動化設計: 「この作業、自動化できる?」を一緒に考えます
- Claude Code導入支援: 非エンジニアでも使えるAI開発環境を構築
- カスタムツール開発: 今回のような監視システムをあなたの業務に合わせて構築
お問い合わせ
まずは無料相談から。「こんな業務を自動化したい」というご要望をお聞かせください。現状をヒアリングした上で、最適な自動化プランをご提案します。
- コーポレートサイト: https://llc-quest.com
- お問い合わせ: https://llc-quest.com/contact
参考リンク
- GitHub: quest-stack/claude-code-release-watcher
- GitHub Actions cron syntax
- Slack Incoming Webhooks
- Claude API Documentation
著者について
てんちょー(合同会社QUEST 代表)
普段はSIerで経営企画部員として働きながら、週末起業で会社を運営。Claude Codeを活用して、複数のWebサービスを開発・運用中。「面倒なことは自動化する」がモットー。
X (Twitter): @questceo_ai


