【判断基準】外注か内製か迷ったら読む記事 - AI時代の開発意思決定フレームワーク

はじめに - 300万円の見積もりを前に
「このシステム、外注したら300万円って言われたんだけど…」
中小企業の経営者や、新規事業担当者からよく聞く言葉です。
多くの場合、この見積もりを見た瞬間、選択肢は2つに絞られます。
- 諦める
- なんとか予算を確保して外注する
でも、2025年の今、第3の選択肢があることをご存知でしょうか。
それは「AIを活用した内製」です。
この記事では、外注と内製を判断するための具体的なフレームワークと、AI時代に変わった内製のハードルについて解説します。
外注の「本当のコスト」を知っていますか?
見えるコストと見えないコスト
外注の見積もりには、見えないコストが隠れています。
見えるコスト(見積書に書いてあるもの)
- 開発費:300万円
- デザイン費:50万円
- サーバー構築費:30万円
見えないコスト(見積書に書いていないもの)
| 項目 | 費用目安 | 説明 |
|---|---|---|
| 要件定義の工数 | 10〜20時間 | 打ち合わせ5回×2時間+準備時間 |
| 仕様変更の追加費用 | 見積の20〜30% | 「ちょっとした変更」が積み重なる |
| 保守費用 | 月5〜10万円 | 年間60〜120万円 |
| 機能追加費用 | 都度10〜50万円 | 「これも追加したい」のたびに |
| コミュニケーションコスト | 膨大 | 認識齟齬の修正、レビュー、調整 |
初年度の実質コスト
見積もり300万円のプロジェクトの場合、初年度の実質コストは:
開発費:300万円
仕様変更:60万円(20%増)
保守費用:60万円(月5万円×12ヶ月)
-------------------------------
初年度合計:420万円
さらに2年目以降も保守費用と機能追加費用がかかり続けます。
AI時代に変わった「内製のハードル」
Before:2023年以前
内製しようとすると、以下のハードルがありました。
| 項目 | 必要なもの |
|---|---|
| 人材 | エンジニア(年収500〜800万円) |
| 期間 | 3〜6ヶ月 |
| スキル | プログラミング経験3年以上 |
| 初期投資 | 開発環境、サーバー費用 |
結論:中小企業には現実的ではなかった
After:2025年現在
AI開発ツールの登場で、状況は一変しました。
| 項目 | 必要なもの |
|---|---|
| 人材 | 日本語で指示を出せる人 |
| 期間 | 2〜4週間 |
| スキル | 業務理解(プログラミング不要) |
| 初期投資 | AI開発ツール(月額2〜3万円) |
結論:非エンジニアでも内製が可能に

私たちの実例
私自身、エンジニアではありません。
しかし、Claude Codeを使って以下のプロダクトを立ち上げました。
Press Starter(AI記事生成システム)
- 開発期間:5週間
- 開発費用:約25万円(AI利用料含む)
- 外注した場合の見積もり:150〜200万円
QUESTBook(社内CRM)
- 開発期間:2週間
- 開発費用:約20万円
- 外注した場合の見積もり:100〜150万円
合計:約45万円で2つのプロダクトを立ち上げ
外注した場合の想定コスト250〜350万円と比較すると、80%以上のコスト削減になりました。
判断に使える「3つの質問」
外注か内製かで迷ったら、この3つの質問に答えてみてください。
Q1. 仕様変更は頻繁に発生しそうですか?
Yes → 内製向き
外注の場合、仕様変更のたびに追加費用と調整工数が発生します。
一方、内製なら「ちょっと違うな」と思ったらすぐに修正できます。
判断基準
- 新規事業で試行錯誤が必要 → Yes
- 既存業務のシステム化で要件が明確 → No
- ユーザーフィードバックを反映しながら改善したい → Yes
Q2. 社内に「やってみたい」人はいますか?
Yes → 内製向き
AIツールで学習コストは激減しましたが、それでも「興味がある人」がいないと続きません。
判断基準
- DXに興味がある社員がいる → Yes
- 「IT苦手」という空気が強い → No
- 若手が「やってみたい」と言っている → Yes
Q3. システムは「競争優位の源泉」になりますか?
Yes → 内製向き
汎用的なシステム(会計ソフト、勤怠管理など)は外注やSaaS導入で十分。
しかし、自社の強みに直結するシステムは、ノウハウを社内に蓄積すべきです。
判断基準
- 他社にはないサービスを提供するためのシステム → Yes
- どの会社でも使う汎用システム → No
- 自社の業務フローに密接に関わる → Yes
判断マトリクス
| Yes の数 | 推奨 |
|---|---|
| 0〜1個 | 外注 or SaaS導入 |
| 2個 | 内製を検討する価値あり |
| 3個 | 内製を強く推奨 |

外注が適しているケース
もちろん、外注が適しているケースもあります。
1. 高度なセキュリティが求められる場合
決済システムや個人情報を大量に扱うシステムは、セキュリティの専門知識が必須です。
2. 要件が明確で変更が少ない場合
「このExcelの帳票を、このまま Web化したい」のように、要件がガチガチに固まっている場合は外注のほうが効率的です。
3. 社内リソースがゼロの場合
「やりたい人がいない」「時間もない」場合は、外注せざるを得ません。
4. スピードが最優先の場合
「来月までに絶対必要」という場合、経験豊富な外注先に頼むほうが確実です。
ハイブリッドアプローチ
実は、「全部外注」「全部内製」の二択ではありません。
おすすめのアプローチ
1. まず小さく内製で試す(MVP)
2. 市場の反応を見る
3. 必要なら外注で本格開発
メリット
- 最小コストで仮説検証ができる
- 要件が明確になってから外注するので、仕様変更が減る
- 自社でシステムの全体像を理解しているので、外注先とのコミュニケーションがスムーズ
実際の進め方
Phase 1:内製MVP(1〜2週間、10〜30万円)
- AIツールで最小限の機能を実装
- 社内 or 限定ユーザーで試用
- フィードバック収集
Phase 2:判断(1週間)
- このまま内製で拡張するか
- 外注で本格開発するか
- 実は不要だったと判断するか
Phase 3A:内製拡張(数週間〜数ヶ月)
- 機能を徐々に追加
- 自社ペースで開発
Phase 3B:外注本格開発(2〜3ヶ月)
- MVPをベースに要件を明確化
- 外注先に「これを本格的に作ってほしい」と依頼
- 仕様変更が大幅に減り、コストも抑えられる
コスト比較:具体例
ケース:顧客管理システム
外注の場合
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 初期開発費 | 200万円 |
| 仕様変更 | 40万円 |
| 保守費用(年間) | 60万円 |
| 初年度合計 | 300万円 |
| 2年目以降/年 | 60〜100万円 |
内製(AI活用)の場合
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| AI開発ツール(月額) | 3万円 |
| 開発期間(2週間) | 6万円 |
| インフラ(無料枠活用) | 0円 |
| 初年度合計 | 約40万円 |
| 2年目以降/年 | 約36万円 |
差額:初年度で260万円、2年目以降も年間24〜64万円の削減
まとめ
「外注か内製か」は、もはや二者択一ではありません。
AI時代の今、以下の選択肢が現実的になりました。
- 小さく内製で試す
- 市場の反応を見る
- 必要なら外注で拡張
300万円の見積もりを前に悩んでいるなら、まずは30万円で「動くもの」を作ってみませんか?
次のステップ
QUESTでは、AI活用による低コスト開発の相談を受け付けています。
- 「このアイデア、いくらで作れる?」
- 「外注と内製、どっちがいい?」
- 「AIでどこまでできる?」
まずは無料相談から。お気軽にお問い合わせください。
著者プロフィール
てんちょー(合同会社QUEST 代表)
普段はSIerで経営企画部員として働きながら、週末起業で高校時代の友人と共同創業。非エンジニアながら、Claude Codeを活用して複数のプロダクトを立ち上げた経験を持つ。


